おやばかのたび
親馬鹿の旅

冒頭文

金さへ返せば、鬼も佛。重荷の一部がおりたかと思へば、我心も輕くなり、金なほ餘れるに、家に歸るより早く、さあ來い、何處へでも、伴れて行つてやらうと、次男と三男とをつれて、立ち出でたり。長男は、近く箱根へつれて行きしことあり、學校の都合もあり、殊に、この日、家にあらざりければ、つれざる也。 さて、都を離れて、何處へゆけば子供は面白がるかと、いろ〳〵考へしが、江の島は、山もあり、海もあり、貝細工あ

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 桂月全集 第二卷 紀行一
  • 興文社内桂月全集刊行會
  • 1922(大正11)年7月9日