おやこえんそくのかん
親子遠足の感

冒頭文

『獅子、子を生めば、必ず之を深谷に墜す。能く出づる者は之を育て、能はざる者は棄てて顧みず。これ誠に獸のみ。人は則ち是に異なり。其の能不能を問はず、必ず之を愛養す。然れども、遠途を渉り、難阻を歴、風土、謠俗、山水の變態を知らしむ。諺に可愛き子には旅させよとは、亦獅子が谷に墜すの意也。予、三子あり。長を九文といふ。生れて四歳、疥を患ふ。百方之を療すれども已まず。年已に十三、瘡珠攅簇、肌膚鮫魚の皮の如く

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 桂月全集 第二卷 紀行一
  • 興文社内桂月全集刊行會
  • 1922(大正11)年7月9日