ごこうさつじんじけん
後光殺人事件

冒頭文

一、合掌する屍体 前捜査局長で目下一流の刑事弁護士である法水麟太郎(のりみずりんたろう)は、招かれた精霊の去る日に、新しい精霊が何故去ったか——を突き究めねばならなかった。と云うのは、七月十六日の朝、普賢山劫楽寺の住職——と云うよりも、絵筆を捨てた堅山画伯と呼ぶ方が著名(ポピュラー)であろうが——その鴻巣胎龍(こうのすたいりゅう)氏が奇怪な変死を遂げたと云う旨を、支倉(はぜくら)検事が電話で

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 二十世紀鉄仮面
  • 桃源社
  • 1969(昭和44)年5月10日