こうぎょく
紅玉

冒頭文

時———現代、初冬。 場所——府下郊外の原野。 人物——画工。侍女(烏の仮装したる)。貴夫人。老紳士。少紳士。小児五人。——別に、三羽の烏(侍女と同じ扮装)。 小児一 やあ、停車場(ステエション)の方の、遠くの方から、あんなものが遣(や)つて来たぜ。 小児二 何だい〳〵。 小児三 あゝ、大(おおき)なものを背負(しょ)つて、蹌踉々々(よろよろ)来るねえ。 小児四 影法師まで

文字遣い

新字旧仮名

初出

「新小説」1913(大正2)年7月

底本

  • 日本幻想文学集成1 泉鏡花
  • 国書刊行会
  • 1991(平成3)年3月25日