じこくもくはんがについて
自刻木版画に就いて

冒頭文

自刻の木版画が一般の人に段々重く見られて来た。然し未だ沢山出来ると云ふ事と価値との関係が絶えてない、又自刻の木版をやる人が沢山出来て来た。然し今迄で自分の見た内で極少数の人の外は多くは、趣味の人の画であつた、寧ろ皆と云ひたい。 木版及び刀が持つて居る特殊な味ひ、如何にもしつくり心地のいゝ印刷、習慣、商業人にない特殊な技工、之等から可成自由に、自分の趣味を発揮した人もあつた。 然

文字遣い

新字旧仮名

初出

「現代の洋画 二十三号」1913(大正2)年

底本

  • 思い出の名作絵本 岡本帰一
  • 河出書房新社
  • 2001(平成13)年8月30日