キビキビしたせいねんしんし
キビキビした青年紳士

冒頭文

帝大土木科出身の少壮技術者の創設にかかるものでN・K・倶楽部というのがある。この倶楽部に多分大正十年頃だったと思うが、科学技術者が大挙して入会することとなり、私は準備委員といったわけで、丸の内の同倶楽部へ時々顔を出したことがある。その時分に倶楽部の仕事も段々多くなるし、会員の大部分は昼間他の職業に従事していて、充分に会務を見ることが出来ないから、専任の人を迎えることになった、もっとも庶務担当者とし

文字遣い

新字新仮名

初出

「大衆文藝」1927(昭和2)年6月

底本

  • 江戸川乱歩 日本探偵小説事典
  • 河出書房新社
  • 1996(平成8)年10月25日