ほんやくせいぞうかぶしきがいしゃ
翻訳製造株式会社

冒頭文

器械を一とまはしガタリと動かすと幾個かの字が出て来る、また一とまはしガタリと動かすと、また幾個かの字が出て来る、幾度かそれを繰りかへして居ると、沢山の字が集つて来るから、それを並べると、立派な学問が出来上る。これが誰(た)れでも知つて居るガリヴア巡島記で、スヰフトが書いて居るラガトオの大学の記事である。が、これにも増して容易にまた簡単に出来るのものは今日の吾が翻訳である。西洋のある名ある書物を始め

文字遣い

新字旧仮名

初出

「改造」改造社、1927(昭和2)年7月号

底本

  • 日本の名随筆 別巻45 翻訳
  • 作品社
  • 1994(平成6)年11月25日