わがけいあいするひとびとに
わが敬愛する人々に

冒頭文

凡てが小生には復(また)と得難い哀(かな)しい省察の時を与へて呉れました。色々と小生の近状を御配慮下さる方々に、ただ小生が健全で如何なる苦痛と羞辱とにも耐え忍び得る程、敬虔な勇気ある状態に自己の霊(たましひ)を温めつゝある事をお伝へしたいと思ひます。 文芸の汚辱者として高品な某文芸新聞の譏笑を受けた事に就きましては、それらの凡てが真実で無かつたにせよ、小生は今更何等の弁解も致し度く御座い

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻55 恋心
  • 作品社
  • 1995(平成7)年9月25日