おばけずきのいわれしょうしょうとしょじょさく
おばけずきのいわれ少々と処女作

冒頭文

僕は随分な迷信家だ。いずれそれには親ゆずりといったようなことがあるのは云う迄もない。父が熱心な信心家であったこともその一つの原因であろう。僕の幼時には物見遊山に行くということよりも、お寺詣(まい)りに連れられる方が多かった。 僕は明(あきら)かに世に二つの大(おおい)なる超自然力のあることを信ずる。これを強いて一纏(まと)めに命名すると、一を観音力(かんのんりき)、他を鬼神力とでも呼ぼう

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 泉鏡花集成8
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1996(平成8)年5月23日第1刷