夫人堂 神戸にある知友、西本氏、頃日(このごろ)、摂津国摩耶山(せっつのくにまやさん)の絵葉書を送らる、その音信(おとずれ)に、 なき母のこいしさに、二里の山路をかけのぼり候。靉靆(たなび)き渡る霞の中に慈光洽(あまね)き御(おん)姿を拝み候。 しかじかと認(したた)められぬ。見るからに可懐(なつか)しさ言わんかたなし。此方(こなた)もおなじおもいの身なり。遥(はるか)にそのあたりを思うさえ、