めいじじんぐうとまつ
明治神宮と松

冒頭文

明治神宮は、林の中にあり。その林には、ありとあらゆる樹木を網羅せるが、神門の内、拜殿を正面にして、廻廊に圍まれたる神庭には、唯〻十數株の喬松あるのみ也。吾人は、日本の國柄より見て、樹木の選擇其の宜しきを得たるを歡喜せずむばあらず。 日本は松の國也。先づ在來の所謂三景を見よ。松島は、其の名の如く、八百八島みな松の島也。天の橋立は、四十二町の長洲の、松を帶ぶる處也。嚴島にも、松多し。殊に濱の

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 桂月全集 第二卷 紀行一
  • 興文社内桂月全集刊行會
  • 1922(大正11)年7月9日