ぼうしゅうきこう |
| 房州紀行 |
冒頭文
江山の姿、とこしなへに變ることなくして、人生の遭逢、竟に期すべからず。曾て房州に放浪して、菱花灣畔に、さゝやかなる家を借り、あびきする濱邊に出でて、溌剌たる鮮魚買ひ來りては、自から割き、自から煮て、いと心安き生活を送り、時には伴れだちて、城山の古城址に興亡の跡を訪ひ、延命寺の古墳に里見氏の昔を弔ひ、富山を攀ぢ、清澄山に上り、誕生寺を訪ひ、洲崎辨天にまうで、行き暮れて白須賀灣頭の月に臥し、夜ふけて鋸
文字遣い
旧字旧仮名
初出
底本
- 桂月全集 第二卷 紀行一
- 興文社内桂月全集刊行會
- 1922(大正11)年7月9日