ぎょうこつき 12 ひろしま・おのみち
行乞記 12 広島・尾道

冒頭文

九月十一日 広島尾道地方へ旅立つ日だ、出立が六時をすぎたので急ぐ、朝曇がだん〳〵晴れて暑くなる、秋日はこたえる、汗が膏のやうに感じられるほどだ。 中関町へ着いたのは十一時過ぎ、四時頃まで附近行乞。 六時、三田尻の宿についた、松富屋といふ、木賃二十五銭でこれだけの待遇を受けては勿躰ないと思ふ。 夜は天満宮参詣をやめて旧友M君を訪ねる、涙ぐましいほど歓待してくれた、奥さんもお嬢さんも、おば

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 山頭火全集 第五巻
  • 春陽堂書店
  • 1986(昭和61)年11月30日