とうきょうのきんこう
東京の近郊

冒頭文

日本橋より四方五六里内外、徒歩して往復の出來る範圍内の地を、こゝに東京の近郊と稱す。南は、品川灣也。東には、江戸川(小利根ともいふ)あり。西には多摩川あり。荒川(下流は隅田川、大川)その中央を流る。東京の近郊は、以上の三大川を有し、臺地と低地とに分る。東より北へかけては低地にして、西より北へかけては臺地也。この臺地が、いにしへの所謂武藏野也。武藏野、今や野にあらずして、畑也。其大部分は、埼玉縣に屬

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 桂月全集 第二卷 紀行一
  • 興文社内桂月全集刊行會
  • 1922(大正11)年7月9日