ざっしん(に)
雑信(二)

冒頭文

△今朝、思いがけなく本集をうけとりました。前集ほど振っていないという評には誰も異議はありますまい。句が総じてダレています。無理に拵えたらしい痕跡があります。 △私は此度もまた出句することが出来ませんでした。自分は出句もしないで、こういう勝手な文句を並べる——実は済まない、不都合千万だと思います。併し詮方がありません。私には今の処どうしても句が作れません。句作の余裕——句材があってもそれを句として

文字遣い

新字新仮名

初出

「椋鳥会『初凪』」1913(大正2)年1月

底本

  • 山頭火随筆集
  • 講談社文芸文庫、講談社
  • 2002(平成14)年7月10日