くさりペンをにぎって ――さんがつじゅうくにち よる――  さんとうか
鎖ペンを握って ――三月十九日 夜――  山頭火

冒頭文

△春と共に白楊社が生れた。あのポプラ若葉のようにすくすくと伸びゆけよと祈る。 △会名の『白楊社』は可い。(たしか二三年前に東京郊外在住の画家連中が同名の会合を組織していたと思う。今では解散したらしい)『四十女の恋』は本集の内容にふさわしくない。次号からはもっと適切な名をつけて欲しい。 △勝手な文句は並べるものの、私は不泣君の労に対しては最大級の感謝を捧げます。 △編輯は順番に為ることにしたい

文字遣い

新字新仮名

初出

「歌集『四十女の恋』」1913(大正2)年

底本

  • 山頭火随筆集
  • 講談社文芸文庫、講談社
  • 2002(平成14)年7月10日