ゆうれいのあし
幽霊の足

冒頭文

或小学校に於ける手工の時間に、Fといふ教師の経験した話。 その日Fは生徒一同に同じ分量の粘土を与へて、各自勝手な物を作らせて見ようと企てた。生徒は皆大いに喜んで各自思ひ〳〵に、馬だの牛だの人形だの茄子だの胡瓜だのを作つた。 ところが、中にたゞ一人時間が過ぎても、ぼんやり何か考へ込んでゐて何も作らない生徒があつた。彼はもと〳〵其の級第一の劣等児であつた。算術や読方はいふまでもなく

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻67 子供
  • 作品社
  • 1996(平成8)年9月25日