ねこ

冒頭文

(四月の夜、とし老(と)った猫が) 友達のうちのあまり明るくない電燈の向ふにその年老った猫がしづかに顔を出した。 (アンデルゼンの猫を知ってゐますか。 暗闇で毛を逆立てゝパチパチ火花を出すアンデルゼンの猫を。) 実になめらかによるの気圏の底を猫が滑ってやって来る。 (私は猫は大嫌ひです。猫のからだの中を考へると吐き出しさうになります。) 猫は停ってすわって前あしでからだをこする

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 【新】校本宮澤賢治全集 第十二巻 童話Ⅴ・劇・その他 本文篇
  • 筑摩書房
  • 1995(平成7)年11月25日