たんどがわ〔「かちょうせいど」せんくけい〕
丹藤川〔「家長制度」先駆形〕

冒頭文

火皿は油煙をふりみだし、炉の向ふにはこの家の主人の膝が大黒柱を切って投げ出しどっしりがたりと座ってゐる。 その息子らは外の闇から帰って来た。肩はばがひろくけらを着て馬を廐へ引いて入れ、土間でこっそり飯をたべそのまゝころころ寝てしまった。 もし私が何かまちがったことを云ったらそのむすこらの一人でもすぐに私を外のくらやみに連れ出すだらう。 火皿は黒い油煙を揚げその下で一人

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 【新】校本宮澤賢治全集 第十二巻 童話Ⅴ・劇・その他 本文篇
  • 筑摩書房
  • 1995(平成7)年11月25日