じょろうがいのうた
女郎買の歌

冒頭文

『惡少年を誇稱す 糜爛せる文明の子』 諸君試みに次に抄録する一節を讀んで見たまへ。     ○ しばらくは若い人達の笑聲が室の中にみちて、室の中は蒸すやうになつた。その中に頼んだ壽司とサイダーが運ばれたので、みんな舊の席へかへつた。舊の席に就いて、それから壽司とサイダーを飮み乍らまた談話が開始された。それからそれへといろ〳〵おもしろい話の花が咲く。瓦斯が明るく室中をてらして

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「東京朝日新聞」1910(明治43)年8月6日

底本

  • 啄木全集 第十卷
  • 岩波書店
  • 1961(昭和36)年8月10日