うたのいろいろ
歌のいろ/\

冒頭文

(一) ○日毎に集つて來る投書の歌を讀んでゐて、ひよいと妙な事を考へさせられることがある。——此處に作者その人に差障りを及ぼさない範圍に於て一二の例を擧げて見るならば、此頃になつて漸く手を着けた十月中到着の分の中に、神田の某君といふ人の半紙二つ折へ横に二十首の歌を書いて、『我目下の境遇』と題を付けたのがあつた。 ○讀んでゐて私は不思議に思つた。それは歌の上手な爲ではない。歌は字と共に寧ろ拙(ま

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「東京朝日新聞」1910(明治43)年12月10日~20日

底本

  • 啄木全集 第十卷
  • 岩波書店
  • 1961(昭和36)年8月10日