アッタレーア・プリンケプス
アッタレーア・プリンケプス

冒頭文

とある大きな町に植物園があって、園内には、鉄骨とガラスづくりのとても大きな温室がありました。たいそう立派な温室で、すんなりとかっこうのいい渦巻形の円柱が列をなして建物の重みをささえ、その円柱には、枝葉模様をきざんだアーチが、かるがるともたれかかっておりました。そのアーチのあいだには、鉄のわくどりがさながらくもの網(い)のように一面に組みあげられて、それにガラスがはめこんでありました。とりわけ太陽が

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • あかい花 他四篇
  • 岩波版ほるぷ図書館文庫、岩波書店
  • 1975(昭和50)年9月1日