「かわいいおんな いぬをつれたおくさん ほかいっぺん」あとがき
「可愛い女 犬を連れた奥さん 他一編」あとがき

冒頭文

ここに収めた三編は、チェーホフ(Anton Pavlovich Chekhov, 1860-1904)がようやくその晩年の沈潜期に推し移ろうとする年代、つまり彼の三十八歳から翌年へかけての作品である。それはあたかも彼がその多産な小説家としての経歴をとじて、すでに『かもめ』や『ヴァーニヤ叔父(おじ)さん』などの成功を経験していた戯曲の世界へ筆を転じようとする年ごろであり、彼の生活の上では、胸の痼疾(

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 可愛い女・犬を連れた奥さん 他一編
  • 岩波版ほるぷ図書館文庫、岩波書店
  • 1975(昭和50)年9月1日