ぶんげいはしんかするか、そのた
文芸は進化するか、その他

冒頭文

一 文芸は進化するか? 阿部知二氏は『読売新聞』文芸欄(昭和五年五月六日)で、小林秀雄氏を評して次のように言う。 「このことは、彼が流行というものをあまり無視していることになりはしないか。……われわれは、文学においては、一歩積極的に——進化という観念を持ち得るところまで到達していない。それゆえに、流行で我慢しなければならない。さて、この流行なる観念なくして、いわゆる今日の新文学——

文字遣い

新字新仮名

初出

「新潮 第二七年第六号」1930(昭和5)年6月号

底本

  • 平林初之輔探偵小説選Ⅱ〔論創ミステリ叢書2〕
  • 論創社
  • 2003(平成15)年11月10日