わたしはこうしてしんだ!
私はかうして死んだ!

冒頭文

一 私がこれから話すことは、全部正真正銘の事実である。ただ色々な都合で固有名詞だけは、抹消したり、変改したりしたが、事実そのものには一点一画も私は修正を加えなかった。 本文で私となっているのは、私にこの原稿を送ってくれた船井君のことである。私は最初三人称でこの物語をはじめようと思ったが、本人自身の筆で語らせた方が効果的だと思ったので最初の形式をすっかり保存して、若干字句の修正を

文字遣い

新字新仮名

初出

「新青年 一〇巻七号」1929(昭和4)年6月号

底本

  • 平林初之輔探偵小説選Ⅰ〔論創ミステリ叢書1〕
  • 論創社
  • 2003(平成15)年10月10日