こさかいふぼくしゅうはしがき
「小酒井不木集」はしがき

冒頭文

私は元来学究の徒でありまして、研究室以外の世の中をあまり見ておりませんですから、私の作品には研究室のにおいが濃厚につきまとっております。けれども、それが一方において私の作品の特色ともなっていると思います。本集には、私の最も力を注いだ探偵小説を集めました。 集中の「少年科学探偵小説」は、少年諸君のために書かれたものでありますけれど、大人の方々にもきっとお気に入るだろうと信じます。

文字遣い

新字新仮名

初出

「現代大衆文学全集 第七巻」平凡社、1928(昭和3)年3月

底本

  • 小酒井不木探偵小説選 〔論創ミステリ叢書8〕
  • 論創社
  • 2004(平成16)年7月25日