かいだんげき
怪談劇

冒頭文

江戸時代の怪談劇は、大抵六、七、八の三月(みつき)のあいだを択んで上場されたようである。つまり夏狂言とか盆替りとか云う場合に、怪談物を選択したらしい。暑い時節に怪談をみせて、夏なお寒きを覚えしめるという趣向かも知れない。 勿論、怪談の狂言に時代物もあるが、怪談として凄味の多いのは世話物である。その意味から云って、世話物は舞台の装置も人物の扮装もアッサリしていて暑苦しくない。それがまず第一

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
  • 学研M文庫、学習研究社
  • 2002(平成14)年3月29日