もりりんたろう「にしあまねでん」のじょ
森林太郎「西周伝」の序

冒頭文

余ガ故男爵西周君ト相識リシハ、初メテ蕃書調所教授手伝並タリシ日ニアリ。爾来交情親善、曾テ調所内ノ一宇ヲ借リ君ト同居シ、又同シク下谷ニ住シ、後和蘭(オランダ)国ニ留学ノ日亦同シク霊田(ライデン)ニ住シ、霊田大学法学教授法学博士ヒツスセリング氏ニ就テ欧洲政学ノ要ヲ聞キ、余暇互ニ議論ヲ闘ハシタリ。但君ハカント派ノ哲学ヲ喜ビ余ハコムト氏ノ実学ヲ好メリ。故ニ円鑿方枘、論相愜(かな)ハサルノ憾(うらみ)ヲ免レ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「西周伝」西紳六郎、1898(明治31)年11月21日

底本

  • 鴎外歴史文学集 第一巻
  • 岩波書店
  • 2001(平成13)年1月30日