レエモン ラジィゲ |
レエモン ラジィゲ |
冒頭文
「何よりもまづ獨創的であれ。」しばしば發せられるこの忠告は、凡庸な詩人たちのところでのみ役に立つ。凡庸でない詩人たちはそれを必要としないのだ。そして多くの凡庸な詩人たちがダダの亞流になつた。何よりも獨創的にならうとする努力、そこに今日の詩人たちの共通の弱點——奇矯にすぎること——があると言つてよい。ところでそれとは反對に、ラジィゲは我々に忠告するのだ、「平凡であるやうに努力せよ」と。 平凡で
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「文学 第五号」第一書房、1930(昭和5)年2月1日
底本
- 堀辰雄作品集第五卷
- 筑摩書房
- 1982(昭和57)年9月30日