ぶんがくてきさんぽ プルウストのしょうせつこうせい |
文学的散歩 プルウストの小説構成 |
冒頭文
私は先頃プルウストについてエッセイを書いた時、プルウストの小説の構成については敢へて觸れようとしなかつた。その時はまだプルウストの小説を切れぎれにしか讀んでゐなかつたから。そして小説の構成などと云ふものは全體を通讀して見た上でなければ分るものではあるまいから。しかし私はそれを切れぎれに讀みながら、一體この小説はどんな構成を持つてゐるのであらうかと時々氣になつた。そしてプルウストのことを批評したもの
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「リベルテ 第二号」1932(昭和7)年12月1日
底本
- 堀辰雄作品集第五卷
- 筑摩書房
- 1982(昭和57)年9月30日