ほんやくちぎのせつ
翻訳遅疑の説

冒頭文

滝井孝作氏の筆になる『志賀直哉対談日誌』というのを読んでいたら、偶然次のような一節にぶつかった。 「文体は必ず斯(こ)うだと限定出来ないネ、例え調子が不可(いか)んと言ったって調子がつかなければ何(ど)うにも出せない感じの場合もある、(中略)作品は一つ一つ各々違った文体を持つのが当然だネ、結局文体はどうでもいいのだ、此方の態度が文体を定めるのだ、文体など何うだっていいヨ」

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 大尉の娘
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1939(昭和14)年5月2日