十月九日 こちらはもう秋が深い。冬までゐられさうなことを言つてゐた川端さんも、これからずつと木曾をまはつて鎌倉へ歸ると、さきをとつひお別れに來られたが、たぶんけふあたりはその木曾を旅してゐられることだらう。僕達はいまやりかけてゐる「續かげろふの日記」の仕上がるまでは頑張つてゐるつもりだが、さあ、いつ出來上がることか知らん? 實はその仕事もいよいよこれからといふところで、僕が一週間ばかり寢込んでし