いれふだ
入れ札

冒頭文

上州(じょうしゅう)岩鼻(いわはな)の代官を斬(き)り殺した国定忠次(くにさだちゅうじ)一家の者は、赤城山(あかぎやま)へ立て籠(こも)って、八州の捕方(とりかた)を避けていたが、其処(そこ)も防ぎきれなくなると、忠次を初(はじめ)、十四五人の乾児(こぶん)は、辛(ようや)く一方の血路を、斫(き)り開いて、信州路へ落ちて行った。 夜中に利根川(とねがわ)を渡った。渋川の橋は、捕方が固めて

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 藤十郎の恋・恩讐の彼方に
  • 新潮文庫、新潮社
  • 1970(昭和45)年3月25日