がっきゅうまんろく |
学究漫録 |
冒頭文
是れは實驗の結果ではなくして、唯、學究的の觀察に過ぎぬのであります。 一 苦に對する三種の態度 苦を脱するために苦に對する我々の態度に大凡三種の別があるだらうと思はれます。第一は苦をあきらめるのである。第二は苦と健鬪するのである。第三は苦を樂觀するのである。 途中で不意に風雨に遭ふ。傘はなし。雨宿りすべき家もない。立寄るべき樹陰もない。かういふ場合に、先づ、切りに
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「精神界 第二卷一一、一二號」1902(明治35)年11、12月
底本
- 明治文學全集 80 明治哲學思想集
- 筑摩書房
- 1974(昭和49)年6月15日