めいじてつがくかいのかいこ 04 けつろん――じぶんのたちば
明治哲学界の回顧 04 結論――自分の立場

冒頭文

一 理想主義者として つぎに、明治年間における自分の立場について、少しく話してみようと思うのであるが、だいたい自分は理想主義の側に立って絶えず唯物主義、功利主義、機械主義等の主張者とたたかってきたのである。もっとも激しくたたかった相手は加藤弘之博士であった。元良(もとら)勇次郎は友人ではあったけれど、学説においてはしばしば衝突をきたしたのである。自分は明治十四年のはじめに、大学において「倫理

文字遣い

新字新仮名

初出

「岩波講座哲學 明治哲學界の囘顧」岩波書店、1932(昭和7)年11月

底本

  • 現代日本思想大系 24 哲学思想
  • 筑摩書房
  • 1965(昭和40)年9月20日