はつかんばん |
| 初看板 |
冒頭文
上 ……つらつら考えてみると、こんな商売のくせに私はムッツリしてていったい、平常(ふだん)はあなたもご存じの通りに口が重たいほうなのに、しかもいたってそそっかしい。これはまあどういう生まれつきなんだろうと、ときどき情なくなることがありますが、ほんとにムッツリとそそっかしいんです。いつかも銭湯で帽子(シャッポ)をかぶり、股引をはいたまま、あわや湯槽(ゆぶね)へ入ろうとして評判になったし、裸で涼んでい
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
- 河出文庫、河出書房新社
- 2007(平成19)年8月20日