ずいひつ よせふうぞく
随筆 寄席風俗

冒頭文

わが寄席随筆    大正末年の寄席     百面相 かの寺門静軒が『江戸繁昌記』の「寄席」の章をひもとくと、そこに「百まなこ」という言葉がある。「百まなこ」とは柳丸がよく用(つか)った花見の目かづらのようなものだが、これが「百面相」を生んだ母胎だろう。そうして百面相自身も天保の昔には、わずかに瞳と眉と、顔半分の変化をもって、あるいは男、あるいは女、あるいは老える、あるいは稚きと、実にデリケー

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 寄席囃子 正岡容寄席随筆集
  • 河出文庫、河出書房新社
  • 2007(平成19)年9月20日