らじょのえ |
| 裸女の画 |
冒頭文
シヤガールの裸の女の繪を床の間においた。こんないい繪をわたしが持つてゐるのではない。『近代美人傳』の口繪を拜借した某氏から、この繪も添へて貸してくださつたのを、丁寧に床の間においたのだつた。 送つて來てくれた人たちに、門口で挨拶して主人が歸つて來たのは、もう夜更けだつたが、室にはいるとすぐに、床の間の繪に目を走らせて、誰のです、と叫んだ。 ああ、シヤガールね、どうも並々の畫ぢやないと思つた
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「名古屋新聞」1936(昭和11)年1月12日
底本
- 桃
- 中央公論社
- 1939(昭和14)年2月10日