桃。 わたしは、桃の實と女性とを、なにとなく特殊なむすびつきがある氣がして、心をひかれてゐる。それが、なんであるかを、まだはつきりしないのに、とにかく、その大切にしてあるものを、心に熟さないうちに、まだ青い實のうちに、ともかく「明日香」發行のお祝ひに捧げるやうになつた。 今、わたしの部屋に西王母の軸がかけてある。高村光太郎氏刀の桃の實の置物がある。わたしは、それらに示唆されて、