はつかつお |
| 初かつお |
冒頭文
鰹といふと鎌倉で漁(と)れて、江戸で食べるといふふうになつて、賣るも買ふも、勇(いさ)み肌(はだ)の代表のやうになつてゐるが、鰹は東南の海邊では、どこでも隨分古くから食用になつてゐる上に、鰹節の製造されたのも古いと見えて、社(やしろ)の屋根の鰹木は、鰹節をかたどつたものだと、「舍屋の上に堅魚を」と古事記にあれば、水の江の浦島の子をよめる萬葉の長歌には 春の日の霞める時に住吉の、岸に出でゐて釣船
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「三田新聞」1935(昭和10)年5月31日
底本
- 桃
- 中央公論社
- 1939(昭和14)年2月10日