とうきょうにうまれて
東京に生れて

冒頭文

大東京の魅力に引かれ、すつかり心醉しながら、郷里の風光に思ひのおよぼすときになると、東京をみそくそにけなしつける人がある。どうもそんな時はしかたがないから、默(だま)つて、おこがましいが、土地ツ子の代表なやうに拜聽してゐる。 大震災のあとであつた、ある劇作家が言つた。 「東京つて、起伏をもつてゐる好いところだ。昔は、さぞ好い景色だつたらう。」 言葉は違ふかもしれないが、さうい

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 随筆 きもの
  • 実業之日本社
  • 1939(昭和14)年10月20日