ずいひつ よせばやし
随筆 寄席囃子

冒頭文

寄席囃子    当代志ん生の味 当代の噺家(はなしか)の中では、私は文楽と志ん生とを躊躇(ちゅうちょ)なく最高位におきたい。文楽は菊五郎、志ん生は吉右衛門、まさしくそういえると思う。ただし、芸質の融通無礙(むげ)なところでは志ん生の方が菊五郎らしく、双方の芸を色彩にたとえていえば文楽の方がハッキリと明色で六代目らしい。そのくせ一字一劃を疎(おろそ)かにしない文楽の小心さ几帳面さは吉右衛門を

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 寄席囃子 正岡容寄席随筆集
  • 河出文庫、河出書房新社
  • 2007(平成19)年9月20日