ある日、婦人ばかりといつてよい招待の席で、小林一三氏が、吉屋信子さんの新築の家を絶讃された。 ——私は、隨分澤山好い家を見てゐるが、その私が褒めるのだから、實際好い家なのだ。たいがいの家は、茶室好みか、もしくは待合式なのかだか、吉屋さんの家はいかにも女性の主人で外國の好いところも充分にとり入れてあると、いはれた。そして、そのよさのわかるものが、お仲間にはあるまいと—— 吉屋さん