ちちをさす くろもんちょうでんしちとりものちょう |
| 乳を刺す 黒門町伝七捕物帳 |
冒頭文
星灯(とう)ろう 陰暦(いんれき)七月、盛りの夏が過ぎた江戸の町に、初秋の風と共に盂蘭盆(うらぼん)が訪れると、人々の胸には言い合わせたように、亡き人懐かしいほのかな思いと共に、三界万霊などという言葉が浮いてくる。 今宵は江戸名物の、青山百人町(ひゃくにんちょう)の星灯(ほしとう)ろう御上覧のため、将軍家が御寵愛(ごちょうあい)のお光の方共々お成りとあって、界隈(かいわい)はいつもの静けさにも
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 競作 黒門町伝七捕物帳
- 光文社文庫、光文社
- 1992(平成4)年2月20日