ほしじょろう
星女郎

冒頭文

一 倶利伽羅(くりから)峠には、新道と故道とある。いわゆる一騎落から礪波山(となみやま)へ続く古戦場は、その故道で。これは大分以前から特別好物(ものずき)な旅客か、山伏、行者の類(たぐい)のほか、余り通らなかった。——ところで、今度境三造の過(よぎ)ったのは、新道……天田越(あまだごえ)と言う。絶頂だけ徒歩すれば、俥(くるま)で越された、それも一昔。汽車が通じてからざっと十年になるから、この

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 泉鏡花集成5
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1996(平成8)年2月22日