かんごくべや
監獄部屋

冒頭文

(一) 同じ持場で働いて居る山田という男が囁いた。 「オイ、何でもナ、近けえ内に政府(おかみ)の役人の良い所が巡検に来るとヨ」 「エッ、本当かイ夫(そ)りゃア、何時(いつ)だってヨ」 「サア、其奴(そいつ)ア判ら無えがナ、今度ア今迄来た様な道庁の木(こ)ッ葉(ぱ)役人たア違うから、何とか目鼻はつけて呉れるだろう、何時も何時も胡麻化されちゃア返(けえ)るんだが、今度ア左様(そう)は往

文字遣い

新字新仮名

初出

「新青年」1926(大正15)年3月号

底本

  • 日本探偵小説全集11 名作集1
  • 創元推理文庫、東京創元社
  • 1996(平成8)年6月21日