さんじゃくかくしゅうい (もくせい)
三尺角拾遺 (木精)

冒頭文

「あなた、冷(ひ)えやしませんか。」 お柳(りう)は暗夜(やみ)の中(なか)に悄然(しよんぼり)と立(た)つて、池(いけ)に臨(のぞ)むで、其(そ)の肩(かた)を並(なら)べたのである。工學士(こうがくし)は、井桁(ゐげた)に組(く)んだ材木(ざいもく)の下(した)なる端(はし)へ、窮屈(きうくつ)に腰(こし)を懸(か)けたが、口元(くちもと)に近々(ちか〴〵)と吸(す)つた卷煙草(まきたば

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 鏡花全集 第四巻
  • 岩波書店
  • 1941(昭和16)年3月15日