ひとだま
人魂火

冒頭文

これは私(あたくし)の父が、幼いころの気味の悪(わ)るかったことという、談話(はなし)のおりにききましたことです。場処は通油町(とおりあぶらちょう)でした。祖母が目をかけてやっていた、母子(おやこ)二人世帯(じょたい)の者が、祖母の家(うち)の塀外(へいそと)に住んでいた、その息子の方(ほう)のことです。母親という人は後家で通して来たので、名代(なだい)の気丈なものだったそうですが、ある夜、もうか

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 2007(平成19)年7月10日