怪談の種類も色々あって、理由のある怪談と、理由のない怪談とに別(わ)けてみよう、理由のあるというのは、例えば、因縁談(ばなし)、怨霊などという方で。後(あと)のは、天狗(てんぐ)、魔の仕業(しわざ)で、殆(ほとん)ど端睨(たんげい)すべからざるものを云う。これは北国辺(ほっこくへん)に多くて、関東には少ない様に思われる。 私は思うに、これは多分、この現世以外に、一つの別世界というような物