さいしょのしゅっぴんが ――しきびじんず――
最初の出品画 ――四季美人図――

冒頭文

今でこそ洋画にしろ日本画にしろ、モデルというものが大きな問題となっているが、今から四、五十年も前の我が画壇をふり返ってみると、そんなものはまるでなかった。 私の最初の展覧会出品画は「四季美人図」であって、これは明治二十三年、東京で開かれた第三回勧業博覧会に出品したもので、当時まだ十六歳の若年であった。 今から思ってみれば、若々しく子供っぽいものであったが、モデルというものがない

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 青眉抄・青眉抄拾遺
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年11月10日